離婚公正証書とは
公正証書とは、法務大臣により任命された公証人が、法律的に間違いがないかどうかを確認して作成されるものです。
公正証書の内容は証明力が高く、裁判では高い証拠能力があります。
また、原本は公証役場で20年間保管されるため、紛失や偽造の心配がありません。原本の保管してある公証役場で
いつでも公正証書の謄本を取得することができます。
離婚の際の取り決めを公正証書にしておくことも同様のメリットがありますが、それだけでなく、養育費など離婚の際に
取り決めた金銭の支払いが滞ったときに強制執行が可能であるという点が最大のメリットです。※但し、不動産の引き
渡し等については、公正証書によって強制執行を行うということはできません。
公正証書により強制執行ができるようにするには、強制執行認諾約款という文言を入れる必要があります。
また、支払金額や支払期限、支払始期・終期等を公正証書に明確に記載する必要があります。
当事務所へ公正証書離婚協議書をご依頼下されば、そのような文言も入れた公正証書を作成致します。是非ご依頼
をご検討下さい。
強制執行について
公正証書を作成した後、強制執行を行う際には、まず原本の保管してある公証役場において、公正証書の原本に執
行文を付与してもらいます。また、公正証書の謄本を債務者に送達する必要があります。その際には、債務者の住
所を知っていなければなりませんので、住所が変わった場合でも通知してもらえるように、離婚した後も、ある程度
連絡を取れるようにしておいた方がよいです。
強制執行できる財産には、債権、不動産、動産などがあります。離婚に関しては、債権に対して強制執行を行うのが
最もやりやすい方法であり、債権の中でも給与や預貯金に対して差し押さえを行うのがもっとも一般的です。給与や
預貯金に対して、差し押さえを行うには、勤務先や金融機関名、支店名を知っている必要がありますので、住所と同
様に、離婚した後に変更があった場合でも通知してもらえるようにしておくべきです。
給与は、通常、税金や社会保険料を引いた残りの4分の1まで差し押さえを行うことができますが、離婚の養育費の
場合には特例があり、給与の2分の1まで差し押さえを行うことができます。また、一度、養育費の支払いが滞れば、
将来分の養育費についても差し押さえを行うことが可能となりましたが、差し押さえることができるのは、給与などの
継続的に給付される債権に限られ、不動産や預貯金を差し押さえることはできません。
給与を差し押さえるといっても裁判所が回収を行ってくれるというわけではなく、自分自身で会社に連絡し、支払って
もらうように説明する必要があります。
公証役場での手続き
原本の保管してある(公正証書を作成した)公証役場において、「執行文の付与」・「送達申立」・「送達証明申請」の
3つの手続きを行います。これらの手続きは、裁判所において行う強制執行の前段階の手続きです。つまり、強制
執行を申し立てる際には、裁判所に対して、執行文の付与された公正証書の正本と送達証明書を提出する必要が
あるのです。
公証役場が遠くにあるなどの理由で、自分で行うことができない場合には、代理人に頼むことも可能です。代理人
に行ってもらう場合には実印を押印した委任状と印鑑証明書(3か月以内に発行されたもの)が必要です。委任状
には、手続きを委任する旨だけでなく、公正証書の作成番号と公証人の名前も記載されていなければなりません。
送達の手続きに関しては、債務者の住民票のある住所か、実際に住んでいる居所に対して行います。送達する住
所が公正証書に記載された住所と異なる場合には、住民票の提出などが必要となります。住んでいるところが住
民票の住所とは変わっていて、住所変更の届け出をしていない場合には、公証役場所定の証明書を記入して提
出します。これらの点は、公証役場によって対応が異なるかもしれませんので、事前に確認しておいた方がよいか
もしれません。
公証役場においては、「執行文付与申立書」「送達申立書」・「送達証明申請書」の3つの用紙に記入することにな
ります。いずれの書類も基本的には、債権者と債務者の住所・氏名を記入するだけの簡単なものです。したがっ
て、債権者と債務者の住所が分かるものは用意しておくべきでしょう。
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